鉄道切符コレクション

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切符(乗車券と特急・急行券および寝台券)は使用後回収されるものだから手元に残らないのは仕方がない。でも残しておきたくなるものがある。特に厚紙で硬券と呼ばれるものが所有欲をくすぐる。裏が磁気面の切符になった近年でも、記念切符として販売されるのが硬券なのはそのためだ。鉄旅を繰り返していたころ、コレクションのためにいかに正当にしかもお金をかけず手元に残すか知恵を巡らせていたものだ。一方つまらないと思っていた軟券にもいろんな種類があるし、30年の間でも変化を遂げてきた。そのごく一部になるかと思うが紹介していきたい。

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1.軟券類(国鉄・JR) 


自動発券機
1980年代,、発券機で買えた切符は当然軟券だったが駅窓口では硬券から軟券に切り替わっていく時期にあった。たぶん地域で違う縦型と横型があり、名刺より少し大きいサイズ。 指定券の場合は横型の印字出力タイプ。
国鉄窓口印字券
主に指定券とともに買った場合この種類。印字がカタカナとは時代を感じさせる。
    旅行センター発券(印字)
1980年代まで主に駅にあった旅行センターで発行される切符は横長の大判サイズだった。単に印刷機の都合によるものかも。国鉄の窓口では買いにくい切符の注文はこちらでしていた(当時国鉄の窓口対応の悪さは有名だった)。 その後JRでも同じサイズの発券が確認できた。
窓口手書き
汎用フォームにハンコ使用、手書き。とても全国一律とは思えない。あちこちにいろんな様式があったんだろう。
 

 
車内補充券
車内で切符を買うときに発行される車内補充券は車掌さんの手書き。汎用型と特定線区内の限定型。後に端末機出力型になったが、こちらは経時とともに印字が消えていき保存性はよくない。
窓口発券の変遷
自動改札の普及に対応した磁気カードの切符。まずJRから横長タイプの切符が登場。後にJR、旅行センターとも名刺サイズの切符に統一されすっかり定着した。ハードだし印字も経時劣化がなく保存性はよい。コレクションには最適なのだが・・。
  企画切符(ワイド周遊券)
ワイド周遊券と呼ばれていたゾーン切符は印刷済みの既製品。購入時は往路(A券)と復路(B券)が一つながりになっていた。エリア内はオールフリーなのにご丁寧にも途中下車印欄がある。
企画切符(青春18切符)
1982年に発売開始。説明書きもない表紙が付いていた。当初5枚付いて1万円。しかも1枚は2日有効だった。徐々に端末機からの出力版に切り替わっていった。さらに1枚単位バラ売りの「不正使用」(?)されないよう、5回分を1枚に押し込められた様式に変更された模様。ちなみに、シンガーソングライターとして人気があり当時国鉄職員だった伊藤敏博がこの切符のイメージソング「青春18」を歌っている。

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2.硬券(国鉄・JR) 

九頭竜湖から隣駅(越前下山)までの切符の変遷。発行駅表示にも注目。
乗車券
距離が100キロ以下は地の色が赤、100キロ超で青で一回り大きい。全国一律だった運賃体系がローカル線に割増運賃制度が導入されたころ(1984年)から金額式表示が増えだした。北海道は金額式を見かけたことはないが、駅間距離が長いのでメリットがなかったのか。また金額式にしても地域により微妙にデザインが異なっている。
その他特急・急行券、往復切符
基本的には距離表示式。起点駅名をゴム印スタンプにするのが合理的だが、需要があるためかキロ表示ともども印刷済みのものも。切符の端を切り落として発行するユニークな型もあり。往復切符は片道使ったら切り取られるので大型かと思いきや普通のサイズ。真ん中にミシン目もある。

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3.入場券(国鉄・JR) 
  入場券
全国一律かと思いきや、乗車券同様地域によってデザインが異なるのが興味深い。たぶん国鉄時代の鉄道管理局単位で決めて印刷していたのだろう。でも仙台地区を除く東北と関東が共通様式、同様に関西と山陰地方も同じ書式になっているのは、少なくとも印刷所が同じだったに違いない。1987年にJRへ以降後もそれぞれ様式が継承されていた。
 

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4.民鉄・第三セクター 各種切符 
 入場券
合理化のため入場券そのものを用意していない民鉄もあるだろうし、あっても硬券とはかぎらない。そんな中で購入できた貴重な硬券入場券。当然ながら様式は各社でバラバラ。 料金設定も大きく異なる。
乗車券
硬券切符、車内乗車券。入場券同様各社 バラバラ。